埼玉の介護士事情

高齢者が体の衰えによって自力で生活するのが困難になる、不安になったときには、介護施設やプロのスタッフに依頼して、いつまでも快適な生活を送れるようにしたいと願います。その手助けをする重要な役割を持っているのが、介護士の職業です。
国家資格を取得してなることができる職業で、全国各地で活躍していますが、埼玉県内においては独自の状況になっています。

求人事情を見ていくと、まず埼玉県の人口の多さが特徴的です。県内の総人口は728万人程度で、日本国内では有数の巨大な人口を抱えている都道府県だといえます。都心に近い場所の良さなども、人が集まる理由の一つです。人口はまだまだ増え続けている状態です。

この内、介護が必要になる可能性が高くなる65歳以上の高齢者を見ていくと、総人口に対して22％程度の割合を占めています。具体的には約160万人です。かなりの人口がいることがよくわかりますが、この内で要介護認定を受けている人の割合を見ていくと、15％程度です。具体的には約24万人です。ある程度の規模を誇る市の総人口の水準か、それ以上の人口がいる状態です。

このような状況の中で、介護関係の有効求人倍率は2.45倍程度です。全国平均では2.42倍ですので、埼玉の介護職に対する求人倍率は突出したものではなく、ほぼ平均的な割合だと判断できます。年齢を確認すると、平均で43.8歳です。全国平均が44歳ですから、年齢に関しても平均的です。介護職に就いて受け取れる給与に関してですが、約21万2000円の平均月収となっています。

全国平均だと19万3000円ですので、比較的多くの給与がもらえる環境が整っているといえます。最も高いのが隣の東京都で、それに次いで平均月収が高いのが埼玉県です。それだけ需要が高いという証拠ですから、介護士として働くには全国的に見ても条件の良い地域だといえます。

高度経済成長の際に東京都内や周囲の地域に人がたくさん集まってきたこともあり、ここに住み着いた大勢の人たちが年齢を重ね、高齢者となって暮らしています。たくさんの高齢者が存在するため、介護職に対する需要が期待できます。この傾向は今後ますます高まってくると予想されていますから、高い給与をもらいながら働き、やりがいを感じたい人、求人に困ることなく就職・転職をしたい人なら、この県で働くことを真剣に検討することをおすすめします。

しかし、条件が良い県だとはいえ、あくまでも平均的なデータを元にした判断ですので、職場が違えば条件が違ってきます。良い環境の職場に出会えるようにするためにも、事前にリサーチをすることが大切です。勉強会や研修内容がしっかりしている職場を選ぶことで、キャリアアップと給与アップを目指せるチャンスがあります。

職場が近くにあればあまり苦労をしませんが、多くの場合で通勤に時間を使います。県内の通勤事情を確認すると、人口が多く、東京都と隣接しており人の往来がとても多い地域という特徴を持っていることから、道路事情や公共交通機関の充実度などのレベルは高い状態です。新幹線やJRなどの電車を使いやすい環境が整っており、やや遠くからでも通勤できる魅力があります。

高速道路を結ぶ、便利な道路がいくつか存在します。交通の便は良いですが、代わりに県内を始め、隣接する東京都やその周辺地域にとても人口が多く、人が集まってくるため、朝の通勤時間帯は大変混雑する確率が高い状態です。

県内の介護事情を見ると、介護を求める人が増えるスピードが全国一だと予想されており、介護分野へのシステムの構築を積極的に進めています。それに伴い、介護士が活躍する場所が今後も増えていく県だといえます。